連続テレビ小説「おひさま」のロケ跡地が、ヘンなことになっていた!
2011年上半期にNHKで放映された連続テレビ小説『おひさま』は、安曇野と松本が舞台でした。
オンエア当時、何度かロケ地を見学に行きましたが、田んぼの真中に撮影に使ったロケセットがそのまま残っていて、誰でも勝手に敷地内を見て回れました。
場所は安曇野市堀金烏川。長野道の安曇野インターからクルマで15分ぐらいの棚田です。
手前に水車小屋、一段高いところに茅葺きの古びた百姓屋が造作してありました。
水車小屋の横には安曇野名物・双体道祖神が二体立っていて、昔ながらの安曇野の風景がコンパクトに再現されていたように記憶しています。
あれから7年。ロケ地のその後については知るよしもなかったのですが、先日、ひょんなことからその場所を再訪することになりました。
というのも、件(くだん)のロケ地一帯は、2016年に国によって整備されていたんです。
隣接する「国営アルプスあづみの公園」に“飛び地”のような形で編入され、里山文化ゾーンとして有料で一般公開されていました。
入場料は公園本体と共通の大人450円。里山文化の保存は大切ですが、ただの田んぼを見て回るのに450円払うのは少しナンだなぁと思いつつ、ゲートを潜って棚田をめざしました。
じつは私たちのお目当ては先日書いた「菜の花」見物(→いちめんのなのはないちめんのなのはな)。「おひさま」じゃなかったんですが、歩き始めてすぐ、「あれ?ここは以前来たことがあるぞ?」…と既視感に捕らわれたのです。
それもそのはず。安曇野きっての菜の花パノラマは、かつての「おひさま」ロケ跡地のすぐ奥に広がっていたのでした。
菜の花畑の手前には「『おひさま』の舞台」と書かれた写真プレート付きの杭が1本、立っています。
二体の道祖神も以前のまま、残っていました。
主人公の生家の設定だった百姓家は撤去され、茅葺きの水車小屋は物置に水車を取って付けたような、なんだか安易な建物にリプレイスされていました。
それでも、かつてここが高視聴率を上げたドラマの撮影場所だった記憶を残そうという公園の気概は伝わってきます。
ただ衝撃的だったのは、道祖神の後ろに二体の面妖な「おひさま人形」が屹立していたことです。
主人公の井上真央さんと高良健吾さんをかたどっているんでしょうが、風雨に晒され、かなりズタボロな状態です。
真央さん?のホッペなど皮膚が剥げ落ち、中身の紙が露出しています(ってことは、この人形は紙粘土なのかな?)。
もはや「おひさま」というよりは「はだしのゲン」の世界観でした。
う~む、これっていかがなものでしょうか。