fc2ブログ

古民家のセキュリティーを見直してみた

2022072001.jpg

 最近、安曇野周辺で空き巣が増えていると聞きます。

 玄関の鍵など掛けない昔ながらのお宅に、不心得者がひょいと上がって手近な物を失敬していくことが、ちょくちょくあるんだそうです。

 特に狙われやすいのが古民家で、もともと風通しが良い作りですから、その気になれば簡単に侵入できてしまいます。

 空き家の場合は不審者が忍び込んで寝泊まりしたり、暖を取ったりするうちに火が出て丸焼けになることも。

 我が古民家も10年以上が経過して玄関の鍵のかかりが悪くなってきました。

里へ買い物に出掛けて戻ってみたら見知らぬ人間が土間に立っていた...なんて事態は真っ平ごめんです。

2022072002.jpg

 これを機にセキュリティを見直そうと一念発起して、先日、玄関の錠前を交換しました。

2022072003.jpg

 鍵屋さんに頼むとお金がかかるのでパーツを取り寄せ、自前で取り外し→取り付けをしたんですが...

 何だかあっけないほど簡単に交換できちゃいました...ってことは破るのもまた簡単なわけです。

 そこで今回、別に南京錠もぶら下げてみました。二重にロックしておけば多少は賊の出鼻をくじくことになるでしょう。

2022072004.jpg

 ただ、我が家は野中のポツンと一軒家。日が沈めば漆黒の闇に包まれます。

 玄関の外に室外灯がひとつだけでは、これもまた不用心といえば不用心このうえありません。

 なので人感センサー付きのかなり明るいLEDライトを2方向に取り付けることにしました。

2022072005.jpg

2022072006.jpg

 さらにさらに。以前から設置してあった監視用のWEBカメラのファームウエアが少し前にアップデートしていたのを思い出し、書き換えてみたところ、解像度が上がって録画転送機能が大幅に向上しました。

 わずかな明かりでも不審者の顔がはっきり識別できるうえに、通りに向けたもう1台のカメラが連動して、駐車中の車のナンバーを自動撮影することが可能になりました。

2022072007.jpg

 しかも対応するソフトもバージョンアップして、異常を知らせるアラートがスマホに飛んでくるという機能まで、いつの間にか追加されていたんです。

 数年前には相当お高かったであろうセキュリティーシステムが、ファームウエアの書き換えだけでタダ同然で手に入るんですから、世の中捨てたもんじゃありません。

 他にも安上がりで効果がありそうな防犯上の“小細工”を施して、作業完了しました。

 我が古民家のセキュリティーレベルも、これでようやくレベル0から2ぐらいには上がったかな?


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。






テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

建具がだんだんズレてくる…古民家のユル~い事情

2019010402.jpg


 納戸とリビングを仕切る中障子板戸(なかしょうじ いたど)が、突然、音もなく部屋の内側に倒れてきました。

 杉の板でできた年代物の引き戸で、かなりの重さがあります。

 幸い、手前に置いてある長持ち(ながもち)に寄りかかるようにして止まってくれたので、大事には至りませんでした。

2019010403.jpg


 じつはこの板戸、3年半前に建具屋さんにお願いして天地を少し削ってもらったんです。

 寄る年波で滑りが悪くなり、開け閉てがとても困難な状態でした。

 調べてもらったら、家の重みで長押(なげし=板戸を上から支える水平方向の材木)が少しずつ垂れ下がり、その下の鴨居(かもい)に戸の上框(うえがまち=上部の木枠)が食い込んでいたんですね。

 その時は板戸の天地を削ってもらうことで、滑りが元に戻りました。

 ところが2年もしないうちに、今度は鴨居と敷居の間隔が逆に開き始めたらしいのです。その結果、以前とはあべこべに板戸が外れやすくなってしまいました。

2019010404.jpg


 参ったなぁ、また建具屋さんを呼ばなくちゃ…と思っていた矢先、まるで催促でもするかのように板戸のほうから倒れてきた、というわけです。

 優に築150年以上も経つ古民家ですから、建て付けが狂うのはむしろ当たり前。最近では、生き物みたいに伸び縮みする老獪なヤツ、と思って受け入れることにしています。

2019010401.jpg





人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  




テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

開かなくなった引き戸を“吊り戸”に改造してもらいました

 丈夫が取り柄の古民家ですが、さすがに寄る年波には勝てず、近頃、チョコチョコ不具合が出てきています。

 数年前から滑りが悪くなっていた和室とリビングの間仕切りの引き戸が、3分の1ほど開いたまま、とうとう閉まらなくなってしまいました。
2016033001.jpg


2016033002.jpg

 家の重みで長押(なげし=引き戸を上から支える水平方向の材木)が少しずつ垂れ下がり、その下の鴨居(かもい)に引き戸の上框(うえがまち=上部の木枠)が食い込んでしまったんですね。

 最近では、押しても引いてもスライドしません。ほとほと困って工務店に見てもらいました。

 やってきた大工さんと建具屋さんの見立ては、

「引き戸が柱代わりになってるよ。下手に外すと長押がさらに沈み込むかもしれないね」

 そこで4枚組の引き戸の両端2枚を外して壁を造作し、柱で長押を支えることにしました。

2016033004.jpg

 そのうえで、残る中央の2枚を鴨居から吊り下げる構造に変更。上框を少し削って金属製のランナー(支柱)を打ち込み、鴨居にアルミのガイドレールを埋設してそこに吊り下げてもらいました。

2016033006.jpg

 敷居はそのまま残したので、完全な吊り戸にはなったわけではありませんが、上框と鴨居の間に1センチほどの隙間ができたため、指1本でわけなく開け閉てができるようになりました。

 これで、あと20~30年ぐらいは持つかな、と期待しています。

2016033005.jpg




人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  



テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

古民家も“腰が曲がる”んです

 あれ? 壁がお辞儀している??

 --そう気づいたのは、昨秋のこと。

2016032001.jpg
壁の上半分が前に倒れかかっています

 2階の床の間の壁が上半分、お辞儀したように前に倒れかかっていたのです。

 別に地震があったわけでもなく、いつの間にかひっそりと、漆喰壁の一部が剥がれ始めていたのでした。

 工務店にお願いして調べてもらったところ、土壁の表面に塗った漆喰が経時変化で剥離しのだと言われました。

 放置しておくと早晩崩れ落ちそうな気配だったので、漆喰を剥がして修繕してもらうことにしました。

20160320.jpg
下地から造り直してもらいました

 で、こちらが最近、直ったばかりの壁です。大工さんがていねいに原状回復してくれました。

2016032003.jpg
無事、原状回復したところ

 古民家だけあって、壁もお年寄りのように“腰が曲がって”くるものなんですね。

2016032004.jpg



人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  



テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

玄関の引き戸の立て付けを修繕してもらいました

2015112501.jpg

 引っ越し当時、我が古民家はあっちの障子、こっちの襖がガタピシ悲鳴を上げていました。

 長い年月の間に少しずつ家が変形してしまって、建具の滑りが悪くなっていたんですね。

 そこで建具屋さんにお願いして、家中の扉や障子、襖を調整してもらいました。

 その後、数年間は調子良く使えていたんですが、やはり古色蒼然とした家だけあって、月日が経つうちに徐々に開け閉めがスムーズではなくなってきました。

 先日、久しぶりに馴染みの建具屋さんを呼んで、家の中をひととおりチェックしてもらいました。

2015112503.jpg

 玄関の引き戸の滑りが目立って劣化していたので、応急処置で直してもらい、後々、ローラーの部品交換等をお願いすることにしました。

 室内の障子や襖も見ていただいたところ、いろいろと手当が必要な状況でした。

 冬が来る前にまとめて直してもらうことにします。

2015112502.jpg




人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  




テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

さりげなくリフォームした古民家って、おしゃれです

 安曇野から大町にかけての一帯には、現役?の古民家がまだまだ相当数、残っています。

 以前にも紹介しましたが、茅葺き屋根の古民家を往時の美しい外観のまま、大切にしていらっしゃるお宅もあります。

 一方で、年代物の古民家の屋根を葺き替え、サッシを入れ、漆喰壁も新しくしてきれいに使っているお宅も目に付きます。

 こちらは大町市の農家。山間部の我が家に比べると屋根の傾斜が緩くて、頂上部分がわりに低いのが特徴です。

2015092001.jpg

 このお宅は屋根に太陽光パネルを設置しています。21世紀に生きる古民家、といった風情です。

2015092003.jpg

 私たちが感心したのが、こちらの板壁のお家。正面から見るとまるで新築のようですが、脇へ回ってびっくり。2階の壁面に漆喰が残っているのです。

2015092004.jpg


2015092005.jpg


2015092006.jpg

 たぶん、屋根を葺き替え、古くなった外壁を板で覆ってリフォームしたのでしょう。オーナーさんのセンスの良さが光ります。

 こうして蘇った古民家を見るにつけ、そこで暮らす人たちの家への愛着、古い物を大切にする心を感じます。

 みなさん、お金を掛けていらっしゃるに違いありませんが、こういうお金の掛け方っていいなぁ、と思うのは私たちだけでしょうか。


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。



  


テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

古民家のお風呂、いまむかし

 古民家のお風呂というと、「五右衛門風呂」を想像する方が多いのではないでしょうか。

 私たちも、てっきり五右衛門風呂こそが古民家のスタンダードだと思い込んでいました。

 年期の入った桧作りの浴室に、お湯をなみなみとたたえた五右衛門風呂。高い梁を見上げながら湯にとっぷりと浸かれば、ああ極楽じゃ極楽じゃ…古民家の“入浴シーン”って、たぶんそんなふうなんだろうなぁ、と勝手に想像していました。

 ところがどっこい、現実はまったく違ったのです。

 古民家探しをして信州のあちらこちらを訪ね歩いた私たちの経験では、古民家のお風呂は、ほぼ“タイル張り”

 まれに壁と天井、床がタイルで浴槽だけFRP(またはステンレス)というところもありますが、浴槽まで含めて丸ごと“タイル張り”の家が大半でした。

2015031501.jpg


2015031502.jpg
私たちが出会った信州の古民家の“タイル張り風呂”


 言ってしまえばベタな昭和風です。ダサいし、時代ものなのでたぶん水漏れはするだろうし、冬場は冷たそうだしで、正直、こいつは頂けないな、と思ったものです。

 じつは古民家の多くがタイル風呂なのには、理由がありました。

 もともと農村地帯の民家の多くには風呂場が付いていなかったのです。

 もっと言うなら、初めから風呂場も便所もなかったのです。

 風呂桶や雪隠(せっちん)は、母屋の外の別棟に設けられていました。別棟というと聞こえはいいですが、ただの掘っ立て小屋だったり、場合によっては野天だったり。水回りは敷地の隅っこのほうに追いやられていたのでした。

 でも、それではあまりにも不便だったのでしょう。時代が下って母屋の土間を一部仕切ったりして、そこに風呂場や便所などを設(しつら)えるようになりました。

 たぶん、現存する農村地帯の古民家の多くは、戦後、母屋をリフォームして風呂場を追加したのだと思います。

 当時は家庭用のユニットバスなんて存在しませんでしたから、在来工法のタイル張りで作られたのでしょう。

 それがそのまま使い古され、現在に至ったというわけです。

 ちなみに、購入当時の我が家には水場がありませんでした。

 風呂や便所や竈(かまど)は母屋の隣の東屋にまとめられていたらしいのですが、家の横を走る道路の拡幅工事に伴って潰されてしまったという話でした。

 風呂もトイレも台所もなくては暮らせません。空き家になってから10年間も売れ残っていた最大の理由が、水場がないことでした。

 そこで仕方なく、広い土間の一隅を仕切って、洋式トイレとシステムキッチン、そしてユニットバスを新設しました。

2015031503.jpg
土間の端にユニットバスを設置しました。


2015031504.jpg
完成当時の我が家のユニットバス


 でも、便器とシステムキッチンとユニットバスを取っ払ってしまえば、また元のだだっ広い土間に戻ります。その気になれば150年前の姿に戻せるようにしたかったのです。

 伝統家屋としての“素の姿”を見失わないようにリフォームや再生を図るのが、かつてこの家を建てた人たちへの敬意だと思っています。


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ  
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。


テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報

湿度センサー付きの換気扇はエライ。土間の湿気が取れました

2011100301.jpg
1年前の写真です

 以前、我が家の土間の三和土(たたき)が、湿気を吸って黒ずんでしまったと書きました。  

 三和土の表面は触ると湿り気を感じるほどで、やがて土間に接した木枠にまで湿気が上り始めました。

2011100302.jpg

 放置しておくと床下が汗を掻いたように濡れ、家が傷む原因になります。

 そこで昨年9月中旬、大工さんに換気口と小型の換気扇を取り付けてもらいました

2011100304.jpg

2011100306.jpg

 換気扇は、床下の湿度をセンサーが自動検知して電源をオンオフするタイプで、あらかじめ設定した湿度を超えると自動的に上蓋が開いて、カラカラ回転を始めます。湿度が下がると自動停止し、上蓋が閉まる仕組みです。

2012083002.jpg

 取り付け2週間目で、黒ずみが少し減って土間が乾いてきた印象がありました。

 その後も換気扇の自動運転スイッチをずっと入れっ放しにして、必要に応じて床下の強制換気を続けてきました。

2012083001.jpg
現在の土間。ずいぶん表面が白くなりました

 あれから1年。今年も湿度の高い日々が続いていますが、ご覧のとおり、三和土の表面はカラッと乾いています。土砂降り雨が続いても、じっとり湿るようなことはなく、いい塩梅にひんやり乾いた状態を維持しています。

 やっと土間一帯の空気の対流が健全になったようです。

 古民家のリフォームは時間をかけてトライ&エラーしなくてはいけないんですね。


人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。







テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

提灯型のランプシェードで部屋の明かりが一変しました

 引っ越し当時の我が家の照明器具は、すべて裸電球でした。天井から黒い電線が垂れ下がっていて、その先端に白熱灯が1個ずつ付いています。

20110703-01.jpg

 数えてみたら全部で12箇所。これといった故障もなく、球切れしている電球を交換すると、どれも普通に使用できたのはラッキーでした。

 でも、だだっ広い古民家の天井に裸電球がボーッと灯っている光景は、かなりうら寂しいものです。せめて傘なりランプシェードなりで覆って見栄えを良くしたいと思い、電器店などを探し歩いたのですが、後付けの傘やシェードというのはほとんど売っていないんですね。

 照明器具自体をアッセンブリー交換すれば、素敵なデザインのものもよりどりみどり。でも、12箇所もまとめて交換したら、出費が馬鹿になりません。

 困ったなぁ、と思案していたある日のこと。所用で東京方面に出かけたついでにIKEAに寄り道して探してみると…ありましたよ、ありました。古民家にぴったりのランプシェードが。

 竹ひごを球形に造作して、そのまわりに和紙を貼ったシンプルなシェードです。ほら、和食屋さんや蕎麦屋さんなんかにぶら下がっている、提灯タイプの電球傘です。

 ただ、世間でよく目にする提灯タイプの電球傘は結構、大きなものが多いと思うのですが、IKEAで見つけたのは直径45センチの小ぶりなシェードでした。

2012020401.jpg

2012020402.jpg


 嬉しいことに針金状の取り付け具で既存の照明に後付けできるタイプです。そして何より感激したのは、その仰天価格。

 な、なんと1個たったの399円

 399円ですよ。正直、驚きました。

 まあ、考えてみれば原材料は紙と竹ひご。このお値段で作れないことはないんでしょうけど、それにしても超良心価格です。エライぞ、IKEA。バンザイ円高。というわけで、喜び勇んでまとめ買いしました。

 安曇野に帰ってさっそくクリスマスの飾りよろしく家中のあちらこちらの電球に取り付けてみると…パチパチパチ! 思わず拍手したくなるほどのジャストフィットぶりです。

 いかにも空き家っぽかった部屋が、提灯ランプシェードのおかげでいっぱしの居住空間に変身しました。

2012020403.jpg

2012020404.jpg

 スウェーデンの会社がデザインしたランプシェードが日本の古民家にぴったりというのも意外でしたが、まさかこんなに安く家全体の裸電球をカバーできるとは思ってもみませんでした。

 探せばあるもんですね。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。


テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

古民家再生と古民家リフォームの違い

2011110601.jpg

 「古民家再生」というと、なんだか朽ち果てた日本家屋を現代のテクノロジーで蘇らせるといった、相当カッコよくてお金がかかるイメージを抱きがちです。

 ものの本やネットで調べると、

【古民家再生】

 ・古い日本家屋をバラバラに解体して別の場所に移したり、組み立て直すこと。その際、最新の耐震・耐火基準を満たすべく必要な補強を施し、断熱材や床暖房、太陽光発電システムなど最新の建築技術をふんだんに取り入れて、安全で快適な最先端の住居に作り変えること。


【古民家リフォーム】

 ・古い日本家屋を住みやすくするために、耐震・耐火補強したり、内装を変更したりすること。


 ……漠然とですが、そんな区別をしている場合が多いようです。

 でも、実際にはこのふたつの言葉を明確に線引きすることはできません。要は傷み具合に応じてどの程度手を加えなければダメか、という問題です。

 屋根も床も抜け、土壁もボロボロに崩れかけているあばら屋は、ちょっとやそっとの内装の手直しぐらいでは、とても住める家にはなりません。そういう場合は、解体して梁や大黒柱を再利用すれば、立派な日本家屋として蘇って、この先100年、200年、長持ちするかもしれません。

 逆にそこそこ程度の良い古民家なら、いたずらに手を加えずに水回りの改良や窓にサッシを追加するなど、最低限の変更でも十分に快適な住環境が得られます。

 私たちの考えでは、まずめざすべきは「古民家リフォーム」。でも、家の傷みが酷過ぎる場合は部分的に、もしくは全面的にバラして「古民家再生」に踏み切る……というのがよろしいのではないでしょうか。

 建てられた当時の状態でまだまだ頑張れる家なのに、レゴを分解するように安易にバラしてしまって、断熱材やら補強材やらをギュウギュウ詰め込んで“再生”するのは、いかがなものかと思うのです。

 ちなみに、私たちが今の家を“手直し”するに当たって自分たちで取り決めた“ガイドライン”は、次のようなものでした。

  ■オリジナルの姿を最大限に生かす。
  ■最低限の補強以外、構造上の変更はしない。
  ■内外装に手を加える場合は、現状復帰が可能な範囲に留める。
  ■新建材などに安易に頼らない。


2011110602.jpg
購入時の我が家のダイニングルーム。
前のオーナーが捨てていった冷蔵庫などを
取り払うと、ガランドウになりました。


2011110603.jpg
ガランドウを板で囲って風呂場の
スペースを設けました。


2011110604.jpg
風呂場のスペースにユニットバスを
はめ込み、完成です。


 購入時、私たちの家には水回りがありませんでした。台所も洗面台も風呂場もなく、壊れたトイレがポツンと付いているだけでした。やむを得ず、もともと家畜部屋だったスペースにユニットバスとシステムキッチンを入れ、トイレも最新のものに交換しました。

 でも、ユニットバスとシステムキッチンと便器を取っ払ってしまえば、また元のだだっ広い家畜部屋に戻ります。その気になれば150年前の姿に戻せるようにしたかったのです。

 伝統家屋としての“素の姿”を見失わないようにリフォームや再生を図るのが、かつてこの家を建てた人たちへの敬意だと思っています。

人気ブログランキングへ  にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ  にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。

テーマ : スローライフ
ジャンル : ライフ

プロフィール

あづみ

Author:あづみ


都会から安曇野の古民家に親子3人で移住しました。夏涼しく、冬は想像を絶する寒さですが、ハラを括って暮らせば何とかなるものです。

その後、縁あって畑付きの田舎家をゲット。現在は山中の古民家と里の家とを行き来する日々です。

安曇野に興味のある方、また古民家に暮らしたいと思っていらっしゃる方、よろしかったらお立ち寄りください。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
ブログランキング
ブログランキングに参加しています。クリックをお願いします。
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 古民家暮らしへ

にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 安曇野情報へ
本文検索キーワード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR