ご存じのように安曇野は全国でもっとも
道祖神の多いエリアだと言われています。
道端に気をつけて散策していると、思いがけないところで道祖神に遭遇することがあります。
観光ガイドに出てくるものとしては、池田町相道寺地区の街道沿いに立つ
相道寺道祖神が有名です。
雨ざらしの道祖神が多い中、こちらの双体道祖神は、
小人の家のような可愛い藁葺き屋根の下に鎮座ましましています。
先日、地元紙にその藁屋根が
“新調”されたというので見に行ってきました。
こちらの集落では毎年1月の中旬になると、近隣のみなさんが藁で作った
「おやす」と呼ばれる正月飾りを持ち寄り、屋根を葺き替えるのだそうです。
近づいてよく見ると、ひとつひとつの「おやす」は、
ラッパ状に造作されています。
じつはこれ、神様に御神酒を差し上げるための
酒器をかたどっているんですね。
中空のラッパが五層に重なっているせいで屋根の裾の部分が反り返って、独特のメルヘンチックなフォルムが生まれています。
天井から、こちらも藁と「おやす」で拵えた手桶?と杯が吊り下げてあります。相思相愛の男神さま、女神さまがきこしめして、さらにラブラブに=
五穀豊穣になるのを期待してのお供えでしょう。
そんな様子を感心して眺めていたら、マスク姿の地元のおばあさんが一本道をトコトコやってきました。
お尋ねすると、おばあさんの家でも正月明けに「おやす」を30個ほど持参し、隣近所とご一緒に屋根の葺き替えをしたそうです。
「おやす」の数はおよそ800個ほどもあり、足りない分はその場で藁を編んで作り増しするんだとか。
19世紀の初頭にはすでにここに立って、村人を悪霊や疫病から守ってきた道祖神さま。今は
コロナから相道寺のみなさんをお守りしているのでしょう。
相道寺道祖神
(Googleストリートビュー)
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テーマ : 信州
ジャンル : 地域情報